新丸子「三ちゃん食堂」のこと

かれこれ10年以上通っている新丸子の名所「三ちゃん食堂」。

 

昔は安い、早い、そこそこ美味い、の三拍子揃ったストログスタイルのお店でしたが、最近ちょっと雰囲気が変わったなあ、と。

まずは値段。

増税や物価の上昇などで数度の値上げを繰り返し、今や「不味からず、美味からず、高からず、安からず」の微妙なバランス。

雰囲気も変わりました。

以前はサッと食って飲んで出て行く無頼な一人客が多かったように思うのですが、テレビや雑誌で取り上げられることが増えてからは、5人だの6人だのの団体客が増えました。そんな団体客がちょっと騒ごうものなら「ウチは居酒屋じゃなくて食堂なんだから!」とお姐さんから叱られる光景も見かけたのですが、今や週末ともなると隣の人の話す声も聞き取れないほどの大騒ぎもザラ。

まあこれも時代の流れなのかもしれません。

アベノミクスだ何だのいってますけど、世の中まだまだ不景気ですしね。

仕方ない。

とはいえだだっ広くて清潔な店内、素っ気ないんだけどさりげない気遣いの接客、盛り付けの気前の良さと豊富なメニューで来る人を飽きさせない楽しいお店であることは確かです。

 

そんな三ちゃん食堂に最近お邪魔したところ、おかみさんから「今日発売のこんな本に出たのよ」と手渡されたのがこちら。 

なぎら健壱 バチ当たりの昼間酒 (思い出食堂コミックス)

なぎら健壱 バチ当たりの昼間酒 (思い出食堂コミックス)

 

 そういえば、一眼レフを首から下げたなぎらさんがお独りでいらしていて、真っ赤な顔で気持ちよさそうにコックリコックリと舟を漕いでおられるお姿を拝見したこともありました(笑)

そんななぎらさんのお姿を思い返しつつ、瓶ビールと「カレーのアタマだけ」「メンコロ」と注文してペラペラとページをめくっていくと、この本の中のなぎらさんも同じく「カレーのアタマ」(ライス抜き)を注文されてました。

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ちょっと違うのは僕のお供が「メンコロ」(メンチとコロッケの合い盛り)なのに対し、なぎらさんは「コロッケ」という点。

 

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コロッケもメンチも当然、手作りなんかじゃなくて、冷凍の業務用のヤツなんだけど、このカレーがとても良い面構えをした「昭和のカレー」。多分これは手作りだと思います。

肉なんか殆ど入ってなくて、でんぷん質過多でもっさり&もったりしてるんですが、櫛型に切った未だ形のしっかり残っている玉葱の甘味がなんとも懐かしい感じで、これにコロッケやメンチをオンして、上からソースをタラーリと垂らし、スプーンの先でちょいちょい崩しながら、ビールをやるのが何とも楽しいのです。

 

この日の時間はちょうど平日の15時過ぎ。

数組の団体客がにぎやかに呑んでいますが、だだっ広くて天井の高いお店なので、この程度の盛り上がりならさほど気にならない程度。

むしろ、こういった喧噪のなかで、ひとりでボーっと飲んでいると、足の指の先から頭のてっぺんまで力が抜けて、危うく失禁しそうに…(笑)

 

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三ちゃん食堂。

お刺身、揚げ物、めん類、ご飯もの、つまみ類に至るまで、どれを頼んでもそんなに美味くもないけど、怒って席を立つほど不味くもなく、激安ってほどでもないんだけど、ボリュームは満点でついつい満足してしまう。

そんな三ちゃんが嫌いじゃなくて、なんだかんだでついつい足を運んでしまうのです(苦笑)

 いつまでもお元気で。