10時頃目を覚ます。 家人は寝床を出たらしく、締め切った寝室独特の空気。 締め切ったままのカーテンの隙間から差す明かりに、細かい埃が反射して、ちりちりと光っている。時計を確かめ、カーテンと窓を開け放ち、布団を干す。 物干し台に出ると、思いのほか…

20代の頃は、ただ漂うように毎日が過ぎて行った。 無駄に眠り、無駄に悩み、ただ徒に、若い日々を損なうように怠惰に過ごしていても、日々は無自覚に過ぎて行った。30代の半ばを過ぎて、眠れない夜が増えた。 酒に弱くなり、悪い酔い方をするようになった。 …

勤め先の至近の外資系チェーンのコーヒーショップに少し気になる子がいる。 化粧は控えめで、痩せていて、髪は割と長い。 多分それほど若くはない。といっても20代後半ぐらいだろう。 どこがどう、ということはなくて、全体的に好きな雰囲気というだけだ。基…

今、雪だか雨だかが降っていて、僕のオフィスの窓の外は霧が立ちこめたように真っ白です。 普段ならちょうど真正面に見える東京タワーのてっぺんあたりも、うすぼんやりした輪郭しか見えません。 どれだけ降ってるのかと思って、オフィスを抜け出して地上に…