神田「大越」のロースハム炒め(¥400)

本当にどうということもないありふれたものなのに、お店で食べると旨いものってありますよね。

家で食べた方がずっと安上がりだし、自分で作ろうが、お店の人が作ろうが味にもほとんど差がないようなものだと解っているのに、その店に行くと何故か注文せずにはいられないもの。

 

JR神田駅高架下「大越」のロースハム炒めは僕にとってまさにそんな一品です。

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おそらくさほど上等とは言えない部類に属するスライス済みのハムが6枚、二つ折りの状態で両面に綺麗な焼き色が付いて供されます。

付け合せは練りからしとキャベツの千切り、そして何故かカットレモンも添えられます。

このちょっとハードシェルのタコスを思わせる形状がミソです。

タコスだったらタコミートだのシュレッドチーズだのあれこれ挟むところですが、このハムにレモンを絞った千切りキャベツを挟んで食べるのが、何とも良い按配でして。

これが昨日今日「センベロ」だ何だの言って始めたような安っぽい店だったら、ついついマヨネーズなんかを横に添えて来そうななものなんですが、それがないのがまた良し。なんというか潔さというか哲学めいたものすら感じさせるのです。

 

さて、こちらのロースハム炒めですが、注文してから目の前に出してもらうまで、結構な時間を要することを考えると、この焼き色はそれなりの「丁寧な仕事」によるものであることを伺わせます。

きっと体に良ろしくない「不自然派」な原料だって使われているであろう加工食材に愚直で丁寧な仕事という「魔法」がかけられることで、滋味溢れる一品に変わる…そんな食べ物との出会いを求めて僕は大衆酒場を巡っているのかも…なんて大袈裟ですかね?(苦笑)

 

実は、もう一品、このロースハム炒めと僕の中で双璧をなす「愚直系マジカルメニュー」があるので、そちらも近々ご紹介できればと思っていますのでお楽しみに。

 

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 大越。いつまでも。