ルー呑み

僕の身の回りには結構いらっしゃるんです。

このルー呑みってのをする方。

要はカレーライスのご飯抜きをつまみに酒を飲むっていう、ただそれだけのことなんですけどね。いいんですよ、コレが。

このルー呑みをする場合のカレーは、できればもっさりしたカレーが望ましいんですが、ちょっとシャバシャバしたような奴で飲るのもそれはそれで乙なものです。

ただ、もっさりでもシャバシャバでも、本格的なインドカレーだとかはちょっとこの場合の気分じゃないというか、カレー粉と小麦粉を炒めて鶏がらスープで溶いたような、ちょっと粉っぽくて昔ながらのレトロな趣のカレーが嬉しいですね。

具もあれこれゴロゴロ入ってない方が気分です。細切れの豚肉とちょっと形の残っているたまねぎ程度で十分。何しろ「ルー呑み」っていうぐらいですから、カレールーそのものだけでいいのです。今だったら大衆食堂だとか、立ち食いそば屋さんだとか、そういうところでお目にかかるような奴です。鶏がらとかでなく、鰹だしの効いた和風のカレーなんかでもいいですねェ。熱燗飲めちゃいます。

たまにカレーはつまみにならない、とか仰る方もいらっしゃるんですけど、そういう方とはできるだけお近づきになりたくないもので。実際、あんまり力説するものだから、そっとお付き合いを控えた方もいるぐらいに僕はこのルー呑みが大好きなクチでして。

で、昨夜はちょっとクサクサしておりまして、2軒目に入ったいつもの食堂でこのルー呑みしてる模様を限られた友人の皆様とリアルタイムにその状況を共有せしめんとヘースブックさんにアップロードしてみたところ、とあるギター弾きの先輩から、至言を頂戴いたしまして、これは僕だけが独占していては世の中の皆様に申し訳ないと思い全世界に向けてチャオ!*1したいと思います。

 

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「さほど美味しそうに見えないのが良いすね!」

 

至言!

金言!!

さすがテ〇シィイ先輩。わかってらっしゃるなァ、と。

この”さほど美味しそうに見えない”ってのは常々、僕がが外で頂く食べ物に求める重要な要素なんです。

”安くて見るからに美味しそうな”食べ物だって世の中にはたくさんあるんですが、この”さほど美味しそうに見えないのに、実は安くて美味しい”食べ物に出会えた時のヨロコビたるや、全身を高圧電流で打ち抜かれたような(打ち抜かれたことはありませんけどw)電気的な刺激を覚えるほどで。

昔の人は「かつ丼を食べたい時に食べられる程度に出世するよう頑張るんだよ」なんて仰ったそうです。

なんというか、かつ丼にしろカレーにしろ、この手の食べ物にはそういう食に対する奥ゆかしさみたいなものの名残が感じられて、たまらなく愛おしかったりするのです。

僕も好きな時に懐の中身を気にせずルー呑みが出来る程度には、毎日の仕事に励みたいなあ、と、その後のはしご酒の残る思い頭で考える昼下がりであります…。

あ、「ルー呑み」ホントにいいもんですよ。やったことのない人は是非お試しあれ。

気の利いた店なら「カレーのアタマだけ」って言えば出してくれますから。ええ。

 

*1:武蔵小山所在の若い人たちが連日イキイキとハッスル営業している某もつ焼き屋さんで使われている「伝票チェックOK→チェオ→チャオ」と変化した隠語。自分の行為を正当化したいときなどさまざまな場面でご使用ください。皆さんも。