武蔵小山「牛太郎」のサラダ(¥120)

一見ありふれているようで、なかなか出会えない味。

記憶を頼りに同じような材料で自分で作ってみても、どうしてああいう味になるのかわからない味。

 

武蔵小山の老舗もつ焼き店「牛太郎」のポテトサラダ(ポテサラ)とスパゲッティサラダ(スパサラ)は、まさにそんな味わいの一品です。

 

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写真はこのポテサラとスパサラの合い盛りで通称”サラダ”。

ポテサラ、スパサラともに単品で120円、合い盛りのサラダもお値段は変わらず120円のまま。(ただし、初見の方は呼吸というか間合いを見計らって個々のコミュニケーション能力に応じてご注文を)

 

このポテサラとスパサラ、何度食べても何を使ってどう味付けしたのか、まったく見当がつかないのです。

仕込み担当で、焼き台を預かる”ひろしくん”は「言ってくれれば作り方も教えますし、なんなら材料もそのまま用意しますよ」なんてサラっと言ってくれますが、なんだかそれも味気ないナア、と思うので作り方は未だに教わっていません。

むしろ、今はあまり知りたくないという思いの方が強いような。

自分で簡単に作れそうなものをわざわざお金を払って外で食べるのも楽しいものですが、特に目新しくも珍しくもない料理だけど、自分では絶対に再現できないお目当ての味も、また酒場めぐりの楽しみの一つ。

謎というか余白というか、のりしろのような物がないと息が詰まってしまいます。

 

さて、スパサラもポテサラも一見、ねっとりとした見た目でマヨネーズがたっぷり、体に悪そう!と見る向きもいらっしゃるかもしれませんが、食べてみるとマヨネーズの味はほとんど感じられず、ポテサラはほくほくとしたジャガイモの甘味、スパサラは、ほんのりと甘みのあるソースと強めに効かせた黒胡椒が特徴的な味わい。

決して健康的でもないでしょうけど(苦笑)

これに中濃ソースや、追加の黒胡椒など気分に応じて追加して、目黒生まれの割材”ハイサワー”、”ハイッピー”などを流し込む。

 

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冷暖房の無い四季を感じる店内、明るい時間も遅い時間も、暑い日も寒い日も見慣れた顔の居並ぶカウンター、バカ噺と笑い声の鳴り響く「働く人の酒場、牛太郎」。

 

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 いつまでも。