海老ワンタン鍋、みょうがと胡瓜の塩もみ、マコモとモヤシの牡蠣ソース炒め

台風前夜は何故かそわそわする。
子供の頃からだ。
昨夜も18時すぎには、いそいそとオフィスを出てハッピーアワーのパブで1パイントだけキルケニーを流し込んで、帰宅。

雨戸やらもろもろをチェックする。
これが楽しいのだ。
人間にとって抗い難い巨大な自然の猛威。
迫り来る何かに、備える感じ。
幼い頃に見たパニック映画の主人公たちの悲壮な表情。

ささやか、且つ密かなヒロイズムを楽しんでいるのかもしれない。

さりとて家族に夕食を供さねばならず、本来だったら、雨戸の上から板切れを釘で打ち付けたりしたいところを切り上げて、夕食の支度にかかる。

土鍋に水を張って、弱火にかけ、粉末の鳥ガラスープを溶かしたところに、絹ごし豆腐を一丁、適当に切ったものを沈めて、ゆっくりと暖める。
その間に、海老ワンタンを仕込む。

冷凍むき海老を流水で解凍したものを、細かく切って、すり鉢でする。
軽く粒が残る程度に摺ったところに、豚挽き肉を海老と同量か少し多いぐらい、長葱みじん切り、塩、オイスターソース、胡麻油少々などを練りこんで餡を作り、市販のワンタンの皮で包む。

鍋のスープが沸騰する手前ぐらいの状態まで温まったら、冷蔵庫に残っている野菜を投入。この日は、蕪、人参の千切り、浅葱のざく切りなど。

卓上のガスコンロで食べながらワンタンをゆでる。
スープがワンタンの粉でとろみがついていくので、スープの素と水を適宜足しながら調整する。

写真がないので、詳細にレシピを書いてみた(全然詳細じゃないかもしれないが)
スープに味がついているが、ポン酢醤油、柚子胡椒、ラー油などお好みで。
全部入れると、複雑な味わいになって良い。

副菜は、胡瓜をいちょうに薄切りにしたものと、刻んだきょうがの塩もみを、塩昆布と醤油であえたもの。

マコモとモヤシをオイスターソースで炒めたもの。

食事を済ませ、片付け物をして床に就き、一夜明けると、期待通り(不謹慎な話だが)の暴風雨。
交通情報では都内のJR各線の運休情報もないので、これは出社せねば、と先日リプルーフを済ませたBarbourの襟を立て、悲壮な覚悟で家の外に出ると、雲ひとつない青空。

つい先ほどまで、物凄い音とともに、荒れ狂っていた風雨はどこに消えたのか?
狐につままれたような気持ちで駅に向かい、電車に乗ったところで、アナウンスが。。。

「現在、南武線を除く首都圏のJR各線は全面運休しており・・・」

この後、パニック映画の群集シーンさながらの体験をすることになるとは、昨夜、家の雨戸を閉めつつ一人、けしからん妄想にふけっている自分には、想像もつかなかったことだろう。

各地でこの台風の被害を受けられた方には、心よりお見舞い申し上げます。