打ち納め、打ち初め

新しい年を迎えあっという間に松も明けていた。

気がつけば年末の更新以来、間隔がずいぶん空いてしまった。

本年最初の更新は、昨年の打ち納めと、今年の打ち初めを駆け足でご報告して、まずはみなさまのご機嫌を伺って見ようと思う。

 

まずは打ち納め。

春よ恋+卵白で打った細麺を茹でて冷水で締めてから煮干しの香りを移した菜種油で和え、隠岐の島のアゴだしベースの塩味のスープと合わせたつけ麺である。

昨年本当にお世話になった「あのお店」の最終営業日の営業終了後、満席+αの大盛況の中、居合わせた20名ほどのお客様に召し上がっていただくことが出来た。10食分しか用意していなかった為、おひとりあたり、ほんの味見程度となってしまったが、ご店主にも喜んでいただけたようで、昨年お世話になった御恩のほんのいくばくかでも、お返しできたと思いたい。

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肝心の完成写真を取る間もなく、用意した麺はあっという間にお客様の胃袋に消えてしまった(笑)

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ちなみに居酒屋評論(?)の草分けのあの人が近年選んだ新東京5大煮込みの一つに数えられるモツ煮込みの煮込み鍋で麺茹でをする、という貴重な体験のおまけつきだった。

 

もちろん年越し蕎麦も打った。

振る舞いつけ麺の日付と時系列は前後してしまうが、まずは、自宅に昨年仲良くしていただいた3組のご夫婦、ご家族をお招きしてのフライング年越し蕎麦の会

簡単な酒肴を数品用意し、あとは各位の持ち寄りなどで多いに飲み食いした〆のせいろそば。上級者用の玄挽きの蕎麦粉も用意していたのだが、いざ打つ段になって怖気が付いて、扱いなれた初心者用の石臼挽きの粉をニ八で。

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年越し蕎麦の会、と題した会で失敗は許されないというプレッシャーに打ち克つことが出来なかった…(苦笑)

仕上がりは上々だったように思うので、それで良しとも思うが、果たして身の丈を知ることが大事なのか、それともここぞという時に勝負に出ることこそ大事と思うか…、実に悩ましい限りだ。

 

大みそかの夜の年越しそばは鴨せいろとした。

知人のとあるもつ焼き店のご店主に依頼して、ハンガリー産の胸肉を用意して、表面に焼き色を入れて40分ほど低温調理にかけた。

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温めたもり汁に、鴨を焼いた際の脂で焼いた長ネギを浮かべ、低温調理の鴨肉を浮かべた汁。

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ここではすこしだけ勇気を振り絞り、石臼挽きの粉に、1割ほど玄挽きの粉を混ぜてみた(苦笑)同じくニ八で打ったが、玄挽き十割など夢のまた夢だと実感。

若干、星の入った仕上がりになっているが、打った本人以外、おそらく判別でないほどの差であろう。

 

そして打ち初めは、2年連続でお招きいただいた世田谷区某所の新年会に持ち込んだ、アゴだしつけ麺となった。

 新年初の製麺ということで、こちらは気負って、初めての全粒粉ミックスでの製麺に挑戦してみた。

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「春よ恋」に、同じく「春よ恋」の全粒粉を1割ほど混ぜて、卵白入りの水で打った中太麺を、やはりアゴだしのみでとった出汁をベースにした醤油味のスープでつけ麺に仕立てた。

麺は試みとしてシングルモルトウィスキーと煮干しオイルで和えて供した。

提供したのがすでに宴もたけなわに入ったころだったので、やはり完成写真はない。

多分、美味しかったはずだ。楽しかったからそれで良いのだ(笑)

 

以下は後日、同じ麺を4日ほど寝かせてから、同じ出汁を味噌味でつけ麺に仕立てたものだ。

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こうして画像で見ると、ほとんど蕎麦と見分けがつかない。

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全粒粉は、麺肌がザラリとして、汁の持ち上げが良くなるが、やはり滑らかさは多少犠牲になるようだ。

味噌や濃厚な醤油味など性格の強い汁と合わせるのが良いのだろう。

粉の種類や配合率を変えて、引き続き研究してみたいところだ。

近日中に、新しい取り組みのご案内もできるかと思うので、今年もどうか引き続きよろしくお願いいたします。