みそラーメン考
以前も書きましたが、実は僕、こんな麺まみれのブログをせっせと更新しておいて、つい数年前までラーメンがキライでした。
キライというか進んで食べたいと思わなかったんです。
(まあ、それは現在もあまり変わってないのですが…。ものすごく食べたいわけではなく、ただ作りたいというw)
それは僕のラーメンに関する原体験が「出前」によるものだということに原因があるのではないか、ということに最近思い至りました。
昨今では「出前」ではなく「ケータリング」などとすっかり横文字化が進んで、ピザやらパエリアやら、扱う品物も多様化しておりますが、今から30年ほど前はどこの家庭にも、鰻、寿司、中華、蕎麦といった出前メニューが、黒電話の横に常備されていたと思います。
そういったお店からとった所謂「店屋物」の麺類って、基本的には伸びてしまっていてお世辞にも美味しいものではなかったですよね?
幼き日の僕は子ども心に「ああ、出前で麺類だけは頼むものじゃないな」と感じていたようで、長じるにつれ、自分のために一人前の一品を頼んでもらえるようになると、基本的にご飯ものをオーダーする習慣が身に付きました。
まあ、食べ盛りで、単純にご飯ものの方が好きだったというのもあるとは思うのですが、この店屋物の麺類のマズさは、その御数年続く僕の「麺類反抗期」を醸成する大きな一因となったことは想像に難くありません。
そんな僕に店屋物以外でラーメンを食べる貴重な機会を与えてくれたのが、サンヨー食品のロングセラー、袋めん業界の鉄人”サッポロ一番”シリーズでした。
中でも一番好きだったのはみそラーメンで、藤岡琢也さんの出演されたCMを見るたびに、父母にせがんで作ってもらった記憶があります。
サッポロ一番「みそラーメン、塩ラーメン」 - YouTube
(動きが激しく、藤岡さんがちょっとシンドそうな(笑)「ゆうゆ時代」より、このあたりのCMの方が好きだったりします)
その後、基礎代謝が今より格段に良く(燃費が悪いともw)、金回りがいまより更に悪かった20代のころは結構な頻度で作って食べておりましたが、30代半ばから徐々に食べる機会が減少してしまいました。
しかし、それでも、僕の乏しいラーメン体験の中で「サッポロ一番みそラーメン」は暗い海を煌煌と照らし、よるべなき船を母港に導く南十字星のように輝く、まさに男の星座と言っても過言ではないのです。
さて前置きが長くなりましたが、そんな僕が今までの製麺活動の中で、実は一度もみそラーメンを自作してこなかったことに最近気づきまして、今回、深く恥じ入るとともに、前回の更新で大量に作成してしまった冷麺用の中太麺と、冷蔵庫で深い眠りについていた数か月前に作成した白濁系の動物&魚介スープを消費すべく、味噌ラーメンの作成に取り組んだ次第。
どうせ麺とスープはありものですし、今回は肩の力を抜いて習作程度のつもりで取り組みました。
みそだれは、八丁味噌と信州味噌をブレンド。みりん、酒、醤油、砂糖、山椒、豆鼓と共にフードプロセッサで練り上げました。
チャーシューは焼き色を付けたロースのブロック肉を、紹興酒、醤油、オイスターソース、みりん、ニンニクと生姜のスライスと共に空気を抜いたジッ〇ロックで密封して、熱湯を這った炊飯器の内釜に放り込み、ふたをして保温ボタンをおして2時間放置したもの。
もう少し加熱時間を取っても良かったかな、などと思いつつ試食。
( ちょっと味のノリが悪かったので、次回は焼く前に一晩味噌漬けにしてからグリルしてみようかと)
トッピングは茹でたもやしと、味付け半熟卵に、豚ひき肉とニラを炒めてみそだれと合わせた肉みそで。
平日の夜にありあわせで作った割に良い出来でありました。
次回は、ぜひ「江戸甘みそ」を使ったみそダレと、上品なスープを合わせて作ってみたいなあ、と考えております。