ラーメンリベンジ

二月は逃げるように過ぎて行き、今日から弥生三月。

気温もグッと春めいてきましたが、2月末にひいた僕の風邪はまだ治らぬまま。

皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 

実は前回作ったラーメンの出来があまりにひどくって、麺もスープも自分的にお話にならない有様でした…。

自分の能力に失望したあまり、「もう二度とラーメンなど作るものか」と自暴自棄になりかけましたが、数日経つとやはり「納得のいくものを作るまではやめられない」と思い直すようになりまして、懲りずに今挑戦しているのが所謂『家二郎』。

 

二郎。

思えばその名は僕の人生の対極に存在するものでした。

 

ラーメン屋に連れられて行っても炒飯を頼むような子供時代を経て(お米が好きだったのです…)麺類の洗礼を受けたのは20代半ばの夏の午後…。(デートで食事と言えば渋谷の薄暗いオシャレ居酒屋。で、飲んだ後はアプ〇ミディに連れ込んで、その後円山町へ…というコースしか知らなかったあの頃)

 

当時出入りしていたとある編プロの編集者さんとM本アキラさんに連れられて、高円寺の「砂場」(今もあるのかなあ…)に行き、そば屋の昼酒の愉悦と遭遇しました。

ちょっとしたつまみで冷え冷えの瓶ビールを飲った後、そばを手繰りつつ冷酒をツイーっ…。

なんたる贅沢。なんたる悦楽。

大人ってスゲー!!と目からうろこの落ちるような体験でした。

※この編集者さんからはほかにも風俗の手ほどきの申し出もありましたが、それは丁重にお断りしました…

 

その後、紆余曲折を経て30代半ばで大衆酒場巡りのようなものをはじめてから、ようやく「酔った勢いでラーメン屋に入る」という【やらかしちゃった系】の経験をした僕(今でもよほど泥酔しない限りやらかしませんが)と、二郎の関わりは意外と長く10年ほどになります。

自宅から歩いて数分の場所に、旧武蔵小杉店(現在ラーメン526(コジロー)と屋号を改めているようです)があったのですが、ちょうど今年10歳になる長男の保育園への経路上だったのです。

ちょっと興味はあったのですが、なんというか、こぞってBMI値の高そうな方々の行列に畏れをなして、毎日横目でチラチラ見つつ通り過ぎる日々を過ごして今日に至っているような次第。

 

そんな僕(先月40歳になりました!!)が作る『家二郎』!!

どうですか、お客さん?

(って聞かれても困りますよね。そもそも偵察ぐらい行けよ、って話ですが、事情があって今、あまり高カロリーなものを摂取したくないんです…。そんなお年頃なんです…。)

 

実はこんな【生涯二郎童貞】【もしかしたらラーメン作る才能ないかもオレ…】な僕が、『家二郎』を作り、自宅にゲストをお招きしてそれを召し上がっていただこうというまりにも無謀な企画が明日に迫っております!!

(お招きしている皆様、もしこれをご覧になっていたら申し訳ありません…。なるべくおいしく作ります)

 

・・・えー、そもそもそんな自分がなぜ『家二郎』なのかといえば、ネット上に転がっているレシピをあれこれ調べてみると、どうも材料や工程が一番シンプルで、おそらくほぼ失敗のなさそうなレシピに思えたのです。

自分のラーメンスキルの限界を知った今、一番必要なのは、ちょっとした成功体験だろう、ということで、今回はそれほど気合を入れず、ちょっとした怖いもの見たさで「家二郎」に取り組んでいる次第。

 

さすがに『家二郎』メインの会ではアレなので、岩手のベアレン醸造所の春の限定ビール「ビター」を飲みながら、総勢6名ほどのゲストをお招きして、コース形式で蕎麦、パスタ、ラーメンを召し上がっていただく趣向です。

 

 

というわけで今週頭より、珍しく計画的に仕込を開始しております。

まずは製麺。

二郎と同じオーションという強力粉を超低加水(33%)で打ちました。

カンスイもしっかり使ったので、生地はかなり硬く、まとめ~捏ねはかなり骨の折れる作業となりました。

製麺機のローラーも一番薄い目盛で通しても薄くならないほどの硬さ。

なんとか切り刃を通る薄さにして製麺することができました。

仕上がりは太めの中太といった感じ。

 

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打ち立てを市販の豚骨スープで試食してみたところ、プツンプツンと心地よい触感に仕上がりました。

 

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これを4日熟成させて、豚のゲンコツと背脂で白濁系のスープを取って、禁断の化学調味料も加えてちょっとあっさり目の二郎を狙ってみます。

 

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昨夜仕込みをしたのですが、今朝、寸胴のふたを取ってみたらとんでもない厚さの油の層ができていました…。ひいいいいい。

 

パスタは太いものと細いものを用意。

岩手県産のゆきちからという品種の強力粉を入手。

たまご入りで打ちました。

 

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太いものは手切りで。

太い方は細いのと適当に混ぜて、濃厚なミートソースに。

細い方はあえてのナポリタンに仕立てます。

 

 

のこりは明日の朝、そばを打ってそれぞれ前菜と〆に、越前そばと胡麻せいろでお出しするような組立て。

 

さあ果たして出来栄えはどうなることやら…。

これで失敗したら本当にラーメン作りの才能ないってことで、自分に見切りをつけるつもりです…。