シラス、早なれ寿司

土曜日の朝、前夜、少し飲みすぎ寝坊。
宅配便の配達員が玄関先で呼ばわる声で目が覚める。
連れ合いの実家である和歌山からの冷蔵便を紐解くと、串本港で揚がった釜揚げしらすの上物、地元で養殖したうなぎの蒲焼、アセと呼ばれる植物の葉で、鯖寿司を巻いた早なれ寿司が届く。
うれしや。


(写真は、蕪の葉に塩をしてしんなりさせたものを搾って白飯に混ぜたものの上にしらすをごはんが見えなくなるほど、どっさり乗せたもの)

釜揚げシラスは、イカや蛸などの幼生が混ざらないものほど高級とされるが、届いたシラスは大きさの揃った真っ白な鰯の稚魚ばかりが、A4サイズほどの小箱にぎっしりとつめられている。

ほ、宝石箱やー

とどこかのグルメレポーターのような言葉が思わず口をついて出る。

鰻は関西風のポキポキとした焼き上がりなので、関東の鰻に慣れ親しんだ身としてはあまり好みではないのだが、これはこれで美味しい。
鰻はまだ食べていないので写真ナシ。

だが、やはり出色なのは、アセの葉で巻いた早なれ寿司だろう。


美味しんぼ」の最新エピソード、日本全国味めぐり和歌山県編でも、海原先生が絶賛しておられる。
アセ、とは沿岸部などに群生する稲科の大形の多年草で、見た感じは笹の葉と菖蒲の葉を足したような感じか。
とてもすがすがしい香りがする葉である。
これで酢飯と鯖で作った寿司を巻いて、木型に入れて重石をしたものなのだが、酢飯のさわやかな香りとアセの葉のすがすがしい香りで、いくらでも食べられてしまう。

持つべきものは海山の恵み豊かな場所に住む親族である。
感謝感謝。