グレート・ギャツビー他

三国志 (1の巻) (ハルキ文庫―時代小説文庫)

三国志 (1の巻) (ハルキ文庫―時代小説文庫)

楊令伝に手が伸びず、かわりに読み始める。
水滸伝になれたせいか、淡々とした展開に若干なじめず。
劉備宋江のごとく、志やら義やらを語ると思っていたのだが。

古道具 中野商店 (新潮文庫)

古道具 中野商店 (新潮文庫)

センセイの鞄に続き手に取った。
一軒の古道具屋を舞台にそこに関わる人々のイニシエーションの模様を描いた作品。
人が人として成長していくことに、早いも遅いもなく、本当に化学変化的というか、偶発的な衝突によって、あえて使うとすれば「運命」に促されるようにあるべき姿や、あるべき居場所に流されていくのだろう。

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

村上春樹による新訳。イスラエル賞受賞記念、というわけではなく、近所の新古書店(ごめんなさい)でやはり村上による新訳のトルーマンカポーティの「ティファニーで朝食を」と並んで売られており、二冊とも購入した次第。
強く、美しく、退廃的だった時代のアメリカの光と影、一人の男の妄執が生み出した、ささやかな殺戮(ホロコースト)の連環を村上の新訳がより精緻なディティールを浮き彫りにすることに成功している。