持てるもの持たざるもの

Halation(初回生産限定盤)(DVD付)

Halation(初回生産限定盤)(DVD付)

秦基博の新曲。
結婚発表後初のリリースだが、まあそんなことはどうでもいい。
タモリの「髪切った?」ばりにどうでもいい。
曲、悪くないんだけどなあ。
なんというかツボがない。グルーブがない。散漫、な気がする。
なんとなくアレンジがゴージャス過ぎな気がしてならない。
全部僕の主観。

オーガスタ臭、というか「ウコンの力」臭というか、無駄に壮大且つさわやかな世界観を作ろうとしていて、「僕が」秦基博に求めていた、あるいはその初期に引き寄せられた、ソリッドさ、危うさ、キナ臭さみたいなものから、どんどん遠ざかっていくような。

次のアルバムが、きっと僕と秦基博にとってのルビコン川になると思う。

僕が始めて秦基博を聴いたとき(シンクロのPVをSSTVで見た)に思い出したシンガーが、森広隆だ。

planetblue

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彼はもちろん記憶していないだろうけど、8年ほど前、僕が興味本位でアルバイトとボランティア半々みたいなスタンスで関わっていたあるイベントスペース&音楽出版の会社で、メジャーデビュー直前の彼のライブイベントに関わらせてもらったことがある。
その数ヵ月後、僕はその会社を離れ、それとほぼ同時期に、深夜のサウンドウェザーというCX系のお天気番組で彼のメジャーデビュー曲と対面することになるのだが、それもまたタモリの「オレ、元Zoo」並にどうでもいい話。

その後彼はワーナーミュージックからアルバム一枚と数枚のマキシシングルを発表し、メジャー契約終了。
RIP SLYME などに楽曲提供している、なんていうところまではフォローしていたのだけれど、今年に入って、自主制作の2ndアルバムを、セルフディストリビューションでリリースしたのに驚かされた。
amzonやiTMSの存在が、音楽マーケットに及ぼしたポジティブな影響を体感した。

その新作を聞いていると、なんとなく、森広隆の現在地のようなものと、秦基博の現在地のようなものを、並べて考えてしまったりするのだ。